コンフー積もうよ - Cause breakthrough! -

もはや質にも量にも意味はない。

無用の用は用を欲する

無用の用、という言葉がある。

いっけん役に立たなそうに思えるものであったとしても、のちのち役に立つことがあるとか、役に立たないからこそかえって役に立つこともあるとかいう意味で、この世に無用なものなど無いんだよ、という老荘思想の教えだ。

 

しかし――と僕は思う。

それって、逆説的に、用を求めていないか…? と。

だってそうは思わないだろうか。役に立つからこそ、無用はその存在を赦されるだなんて、世に存在する基準があたかも有用性にしか無いみたいではないか。

だから、僕は無用の用、という言葉が嫌いだ。老荘思想自体は好きだけど、この言葉は嫌いだ。

考え方が類似した、ジョブズの点と線の話の方が僕はずっと好ましく思える。

記憶頼りになるから、ぼんやりとした説明になるけれど――

ジョブズ曰く、未来に向かって線を引くことは出来ないという。この線、というのは、たとえば現時点で何かやりたいこと、目標にしているものがあったとして、その目標までの道筋を最短で辿る方法を知ることはできない、という風に僕は解釈している。

そして、ジョブズはしかし、と続ける。確かに未来に向かって線を引くことは出来ないけれど、いまこの瞬間、点を打つことならできるのだと。

点。それはつまり、いま何かを行う、ということ。

音楽を聴くこと、詩を書くこと、運転すること、星空を見上げること、水を飲むこと、友だちと遊ぶこと、お菓子を作ること……なんだっていい。とにかく何かをする、それ自体が点を打つ、ということなのだ。

そして、未来に向かって線を引くことは出来なくても、いつか点が繋がり、線になることを信じ、いま努力することは出来る!

――ジョブズの言う打点とは、そういう事だと思う。

役に立つとか立たないとか、そういう視点で努力するのではなく、何か気になることがあったら、いつか線になることを信じて、全力で向き合うこと。これが打点だ。

だから、僕は、無用の用より、打点が好きだ。

無駄かもしれない…という心のどこか深いところにある弱音を奮い立たせるように、輝く未来を夢みて、現在を全力で生きるということ。その在り方は、鮮烈だ。*1

 

  ◇ ◇ ◇

 

僕は数学が好きだ。好き、だった。

過去形になってしまったきっかけは、大学を中退したからだ。勉強したい熱が出てきた今からすると、学べる環境を失ったのは勿体ない気がするけれど、まあ、自分が選んだ結果だ。仕方ない。

今仮に、あの時点にタイムリープできたと仮定しても、きっと僕は二足の草鞋を履くことを頑張れないだろうから。だから、やめてしまったことに関しては仕方がない。

けれど、今でも胸の奥にちくりと刺さった棘がある。高等数学*2を学んでいなかった、という後悔と、それに伴う後ろめたさだ。僕は数学が好きだ。でも、胸を張って言うには、高等数学を学んでいなかった、という後ろめたさから、どうしても、小声で、誰にも聞こえないように、それでも僕は好きなんだ…とみっともなく好意を伝えることしかできない。だって、もしも、高等数学を修めた人間に質問されたら、僕は閉口するか、テキトーに誤魔化すしかないもの。でも、それって嫌だ。自分の好きなものを好きって、胸を張って言えないのは嫌だ。そんな自分の姿も、嫌いだ。

 

だから僕は勉強したいと思う。数学を学び直したいと思う。

いつか点が、線として繋がるように。そして、自分自身の誇りの為に。魂のために。

 

―――――――――――――

 

ひとまず、独学するのに必要なことについて、軽く調べてみた。

 

大学の数学を独学で勉強するには - どこから勉強したらいいでしょうか?数学専... - Yahoo!知恵袋

 

大学では、微分積分線形代数をまずやります。この二つは基本なのでじっくり勉強して損はないと思います。(私はやってないので損をしてると言う意味です。)
他の基礎科目には、集合論と論理学、初等解析、複素関数論などがあります。

 →大学の数学の範囲と、どこから始めるかということ。

微分積分線形代数を基礎から学び直すのは当然として、他にどう展開して行くか。

 

数学の分野(ジャンル)の一覧 - 勉強メモ (大学の講義動画や,資格試験の対策)

数学の分野の分け方は,大まかなものから細かい高度なものまである。

しかし大きな柱は3本だ。

解析,代数,幾何の3つを知っておけば,ほかはその組み合わせとして細かく分類できる。

 →以前、現象学について軽くかじった時に、確かにこの三種類が挙げられていたのを思い出した。細かいロジックを言語化できるほどには思い出せないけど、この分類法は歴史的な流れがあった、というのを当時納得した憶えはある。…確か、はじめは幾何と代数があって、デカルトがそれを組み合わせた、というような感じだったはず。つまり、幾何と代数、というジャンルが先にあり、それを組み合わせたジャンルとして、解析、というジャンルが生まれた、というような感じ。ここで重要なのは、これが事実かどうかは、今、関係がないということだ。その事実関係を今知りたいんじゃなくて、大まかに分野がどのようにあるか、ということと、仮に、三つに分けられるとして、それが果たして漏れなくダブりなく、分類されているだろうか、ということ。本質的に重要なものの分類がなされており、かつ、その分類が正当であるならば、それを信じて学んでいける。邪念に惑わされず、ひとつひとつのステップを登って行こうと意志できる。

解析学

  • 無限や収束を扱う
  • 土台になるのは微積
  • 級数なども現れる

代数学

  • 群・環・体などの代数的な構造を扱う
  • 行列論を含む線形代数も、線形空間という構造を扱っている
  • 名前の通り、数の代わりに文字を使う方程式の扱いも含む
  • 数学の各分野は代数を使って表現するので、数学に共通言語を提供している

幾何学

  • 人間が認識できる図形や,多様体を扱う
  • 座標を使えば解析幾何

 →やはり代数学が好きかなー。

→とりあえず、今後少しずつ、各ジャンルでどのような研究がなされているかを調べてみる。先に何が待っているかを学ぶことで、今学んでいることの位置づけを行うことができる。位置づけができれば、その基礎を学ぶことはどう応用することが出来るか、という方向感覚を身に付けることができる。身に付けられれば、応用するための基礎力を上げられる。学習効率、レバレッジを上げる、ということ。

→あとはまあ、ゲーデル不完全性定理を自力で証明できるように勉強してみたい。あのメタ証明は感動的。その感動を描いているかどうかはさておき、不完全性定理を扱った作品といえば、

 

数学ガール/ゲーデルの不完全性定理 (数学ガールシリーズ 3)

がある。高校の時に漫画を軽く読んでいたはずだけど、さっぱり憶えていない…

 

↓ついでに気になったのも貼っておく。

 

数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう

 

 

*1:ちなみに、彼は、役に立つと思って専攻したわけではない、カリグラフィーの授業の経験から、この考えに至ったようだ。

*2:高校の数学、ではない